<最新の国際物流情報>1分で読める!みんなのロジニュース57:中国↔欧州間の貨物鉄道が空前のブーム

物流一般

みなさんこんにちは。
先週まで雨が続き、野菜の価格がかなり上がってますね。
ブロッコリー好きの私に取っては、早く100円台に戻って~っと心の叫びでした。

さて、本日のクイズです。
中国↔欧州間を結ぶ貨物鉄道”中欧班列(ちゅうおうはんれつ)”ですが、1回で何本の40FTコンテナが積めるでしょうか?

5秒前









終了

<strong>回答博士</strong>
回答博士

正解は40FTコンテナを40~45個を積めます。

なぜ今、中国↔欧州間の貨物鉄道がブームか?

まず最初に、欧州班列は2011年に正式な営業を開始しました。
中国鉄道、ドイツ鉄道、ロシア鉄道が出資する合弁事業となっております。

三カ国の鉄道会社の合弁

営業開始の当所は各荷主が興味を持ち、国際物流会社への問い合わせが多くありましたが、結局多くは利用されないままの状態でした。
理由は輸送料金が海上輸送の比較で高い事にありました。
新しいサービスである事やCO2削減等々の観点もあり、興味を持つ荷主は多数いましたが、結局は料金がネックになっていたのです。

ですが、コロナで状況が一変したのです。
下記ロジニュースにもあります1.海上運賃が上昇、また、2.海上輸送スケジュールも乱れ貨物鉄道の需要が急上昇したのです。
<最新の物流情報>1分で読める!みんなのロジニュース51:船会社の通知簿。スケジュール遵守率って何?

今年上期(1~6月)の運行実績は、前年同期比43%増の計7377便・52%増の70万7000TEUとなりました。
上期半期だけで3年前の2018年の年間実績を超えたのです。
海上輸送は依然として今後の見通しが不透明な事から、更に利用価値は出てくると考えます。

特に中国↔欧州間の海上輸送スケジュールの乱れに拍車を掛けたのは、今年3月に発生したスエズ運河での事故です。
事故の影響は未だ尾を引いており、スケジュールが更に乱れ、貨物鉄道利用に拍車が掛かりました。
<最新の物流情報:無料ほぼ毎日更新>1分で読める!みんなのロジニュース㊼:速報 スエズ運河でコンテナ船が座礁。復旧見込みと今後の影響は?

料金とリードタイム

<strong>荷主さん</strong>
荷主さん

なるほど、課長に相談し一回使ってみようかな。

料金とリードタイムを教えて下さい。

<strong>みんロジ</strong>
みんロジ

例えば上海→ドイツ・ハンブルグの40FTの料金で比較してみましょう。
集荷から配送までのトラック料金を入れての概算です。

①海上輸送:USD8,000~12,000(コロナ前はUSD2,500前後)

②中欧班列:USD6,000強

<strong>荷主さん</strong>
荷主さん

海上輸送は、やはりコロナ前と比べてかなり上昇していますね。

リードタイムは何日ぐらいでしょうか?

<strong>みんロジ</strong>
みんロジ

①海上輸送は43日

上海市内→上海港:4日、上海港→ハンブルグ港:35日、ハンブルグ港→ハンブルグ市内:4日

②中欧班列は25日

上海→武漢駅:3日、武漢駅→ハンブルグ駅:16日、ハンブルグ駅→ハンブルグ市内:4日

ですが、最近、海上輸送は港湾混雑やスケジュールの乱れでプラス10日の55日前後で見た方が安全です。

また、その他都市の中欧班列のスケジュールを貼りますね。↓

<strong>荷主さん</strong>
荷主さん

コロナの影響で、海上貨物よりも安くて、早いサービスになったのですね。

課長と相談してみます。

<strong>みんロジ</strong>
みんロジ

参考までに航空輸送ですと、料金は中欧班列の3倍から5倍ですので、

USD18,000~30,000ですね。

リードタイムは3~5日です。

ルート

ルートは大きく分けて3つあります。
①橙色の北ルート
②緑色のモンゴルを通る中央ルート
③青色の西ルート

因みに線路幅の問題から、国境でコンテナの積替えが発生します。

また、特に西ルートは中国が目指す一帯一路(シルクロード経済圏構想)の重要な物流ルートになってきますので、力の入れようが違います。
ロシア鉄道経由は冬季に路線凍結等々でスケジュールが乱れる事もありますから、尚更、西ルートは重点ルートとなってくるのです。

おわりに

このように海上輸送の先行きに不透明感がある事から、当分は中欧班列の需要は継続すると考えられる。
また、海上輸送のスケジュールが安定したとしても、海上運賃はコロナ前のレベルまでには戻らないと考えられます。
理由は、コロナ前のアジア→欧州の海上運賃はUSD1,000/40FTを割る事もあり、船会社は赤字で運行しており、数年は黒字で運賃レベルをキープしたいはずです。

また、価格は需要と供給のバランスで決定しますが、当分は需要過多で海上運賃の下落はないと考えられます。

このような状況から、中欧班列の需要は当面は続くと考えられますね。

最後に、中欧班列の動画を貼りますね。
本日は以上です。

中欧班列、「一帯一路」構想の進展を後押し 黒竜江省

コメント

タイトルとURLをコピーしました