みなさんこんにちは。
本日は国際郵便であるEMS料金の値上がりについて解説致します。
いつものように問題を出させて頂きます。
EMSの①北京⇒ニューヨークへの配送料と、②サンフランシスコ⇒ニューヨークへ配送料はどちらが安くなるでしょうか?
正解は当然②ですと言いたい所ですが、①の北京⇒ニューヨーク間の方が安価となります。
世界192カ国が加盟する万国郵便連合(UPU: Universal Postal Union)が設定している到着料が関係して来ます。
18年8月にトランプ政権がこの到着料の不公正さに意義を唱え、UPUからの脱退を表明致しました。
到着料を改定しなければ、UPUを脱退!
まず到着料を図表と共に解説します。
到着地の空港費用や配送に使われる一部料金で、発送国が到着地で掛かる費用を一部負担をしております。
UPUでは、
1.発送国が途上国の場合は優遇処置として、途上国での到着料を安価に設定しております。
2.一方で、到着国が先進国の場合は、発送国で掛かる到着料の差額を負担する必要があります。
つまり途上国はEMSの費用負担が大きいと言う事です。
1:途上国⇒先進国への発送。
2:先進国⇒途上国への発送。
このようなルールから、アメリカ国内配送よりも中国⇒米国の配送料の方が安価となる現象が起こっています。
また、到着料の設定はグループによって区分されており、下位グループが安価な到着料の設定が認められております。
*グループ1:米国、日本、欧州の一部等々
*グループ2:韓国、クウェート等々
*グループ3:中国、マレーシア、メキシコ等々
*グループ4:インド、インドネシア、アフリカ諸国等々。
因みに、グループの詳細はUPUのHPでも見れます。下記リンクします。
到着料は英語ではTerminal Duesと言い、see country classificationからグループが見れます。
https://www.upu.int/en/Postal-Solutions/Programmes-Services/Remuneration/Terminal-Dues
なぜ、チャイナがグループ3だ!
特に貿易戦争中であった中国がGDP世界2位の地位ながらグループ3に位置している事には、特に意義を唱えての脱会表明となりました。
その他にもアメリカの到着料の差額負担が年間337億円である事にも異議を唱えております。
アメリカには脱会されたくない。。。
UPU側もアメリカの脱会表明に危機を覚え、19年9月に会合で各国独自での到着料の設定を認める事になりました。
ここで負担額が大きいグループ1は軒並み値上げを行い、アメリカは昨年から料金改定しており、中国から米国に送られる小包料金は40~70%ほど上昇しています。
日本郵便も21年4月から、重さ2キロまでの国際郵便料金を大幅に引き上げます。
詳しい料金表はリンクの郵便局HPから
https://www.post.japanpost.jp/int/2021fee_change/index.html
EMSの値上げにより通常クーリエサービスの方が安価となる場合もあり、越境EC物流が得意なクーリエ会社のDHL、UPS、FeDex等々が更に台頭してくると思います。
最後に越境ECの今後のマーケットについては、リンクのみんなのロジニュース㊳をご覧下さい。
<最新の物流情報:無料ほぼ毎日更新>1分で読める!みんなのロジニュース㊱:国際物流業界を席巻して行く越境EC物流。コロナ禍で更に勢いが加速。今後のフォワーダーの出方は?
本日は以上です。
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